iceしんしん(お題http://baldavin.com/darya.html)
◆俎の上の恋
誘拐婚やん…そのまんまやん…
◆動機の密度
「森夜さんそこに座りなさい」
「婚姻届書く?」
「いろいろと言いたいことはありますけれど、まず、私を誘拐した動機を述べなさい。きっちり理論立てて述べなさい」
「俺がしたかった!」
「スカスカじゃないの……」
◆割合が完璧
しんちゃんのAPPの完全な造作、顔のパーツや毛穴ひとつひとつの配置まで神が手ずから介在したかのような美しさ、にしみじみと見とれる新菊
◆夜更の三角
せせりが死んだ後、結婚してから、まだ子供いないくらいの話
夜更け、白襦袢(ねまき)で寝室
静かに空を見上げる新菊 声をかけるしんちゃん
「夏の大三角を知っている?」
「こと座を頂点に、はくちょう座と、わし座」
「……初めてその絵を見た時…私は思った。『二羽の大きな鳥が、琴を取り合って落下していくんだ』って」
「今でもそう思う……」
「一度…どうしてだったかしら…あの子と星の話をしたことがあったの。流星群が来るとか、そんな他愛ないことだったかも。私はあの子と素直に話すなんて嫌だったから……ほとんど聞いていなかった。どうすれば冷たくて徹底的な、この子を黙らせる言葉を吐けるか、って思っていた」
「でもあの子が大三角の話をしたの。それでつい見てしまった」
「『白鳥と鷲が落ちていくね』って……笑った」
「……なんてことのない話だわ。でも、思い出すの、どうしてかな……」
◆わたしの領分
なんでもできるハイパー超人しんちゃん
努力の人ではあるもののマルチな才能には欠ける新菊
「ここからは私の領分」と言えるような
しんちゃんを支える、という 寄り添う、ということ
それを新菊が自覚しているよという話
(きっと最愛の叔母を亡くした、獣のような彼に寄り添ったときから、ここが私の領分、と思うところがあったんだろう)
◆深からずとも暗い海,浅からずとも碧い海
幸せ家族の話