――ウサギはほほえみながら、待ちうけていました。 「あちこちかけ回ったのに、ごちそうは手に入りませんでした。そこできょうは、わたしをめしあがってください。けれど、わたしを殺してしまえば、いましめを破ることになります」 ――ウサギは、一生けんめいに話しました。 「すみませんが、火をおこしてください。そうしたら、わたしは自分で火の中に飛びこみましょう。焼けたころ取り出して、めしあがってください」